2621人が本棚に入れています
本棚に追加
私たちは買い出しをしてから、アパートに向かった。
そんなに遅い時間でもないので、材料を買って手作りすることにした。
食材と飲み物。アルコールも少し。デザートも忘れずに。
「あがって。あがって。」
玄関の電気をつけながら、靴を脱いで奥に進む。
「お邪魔しまーす。」
彼女は小さな声で、でもうれしそうに私の後に続いた。
…夜に友達の家に…というのが初めてのことらしい。
私は一度奥に入って、ブラウスからTシャツに、スカートも綿のロングスカートに着替えた。
そして、髪の毛を適当に結びながら奥から顔を出す。
「ねえ、野崎さんも着替える?今日、お泊りしちゃってもいいよ?」
「え?」
「今日はいろいろと初体験…なんて。お家の人が許してくれたら…だけどね。」
「…許してもらいます!」
彼女は携帯を取り出して、玄関に向かった。
本気で家の人を説得するらしい。
彼女の意気込みを微笑ましく思いながら、私は彼女に貸す洋服を準備してからキッチンに立った。
しばらくして、飛び跳ねるようにしてリビングに現れた彼女の様子からお許しが出たのだとすぐにわかった。
彼女は私の用意した服に着替えてからキッチンで私の横に立った。
最初のコメントを投稿しよう!