雲行き-2

31/40
2617人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
大塚は来てからずっと同じようなことを繰り返し話している。 半分気だるくなりながら、大塚の話に耳を傾ける。 …嫌でも耳に入ってくるんだから仕方ねえ。 大塚の昔話を聞いていると、大塚のバカさ加減がよくわかるが、同時に自分もバカだったと痛烈に実感した。 今考えれば、くだらねえバカげたことを、あの時はそれがかっこいいと思ってやっていた。 大塚はペラペラとよくしゃべっているが、俺はそんな過去のことは誰にも言えねえと本気で恥じていた。 そう思うと… 俺もあの頃からは… 少しでも …変われたんだろうか。 もしもそうだとしたら 変えたのは… 間違いなく アイツだな。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!