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今度こそ、二人でプルトップを開けて、お互いにグラスに注ぎ合う。
「かんぱーい。」
「カンパーイ。」
私たちははしゃいでいた。
新しい親友が出来たような、そんな喜びで。
会社のことをあれこれ話した後は、家族のこと話したり、プライベートなことに話が及ぶ。
そして…
女子会の定番の…
恋バナ。
切り出したのは野崎さんの方だった。
「…一目惚れって…ホントにあるんですね…。」
彼女はチューハイを一口含んで、宙を見ていた。
「…あったんだね。」
私も同じようにチューハイを一口飲んで彼女を見た。
「…私、恭ちゃん…山崎さんのこと、こと。…やっぱりショックだったけど、あの時桐谷さんがいてくれたから、ちゃんと乗り越えられたんです。もうしばらく恋なんて出来ないと思ってたけど…。」
「…思ってたけど?」
「…しちゃった…みたい。」
彼女の頬が赤く染まると同時に私の頬もゆっくり色づく。
なぜか私まで…。
こんな風に素直に話せる彼女が、私にはどうしようもなく可愛く思えて仕方がないのだ。
それに…
そんな風に話せる彼女に…
…憧れちゃう。
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