最後の試練-1

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裏口からほど近い場所に、洗濯物をたためる小さな和室がある。 部屋としては機能していないらしいけど、4畳ほどの小さな空間にも関わらず、ちゃんとエアコンもついていて、洗濯物を畳むには最適だ。佐和子さんはここでアイロンがけなどもするという。 実は佐和子さんにとってこの家で一番好きな空間らしい。 私はエアコンのスイッチを入れて、冷たい風を待っていた。 「うーん。快適。」 私ってばさっきから独り言を連発してる。 一人はやっぱり寂しかったりして…。 早く渉さんと話したいな。 なんて、乙女チックな自分の思考ににやけながら洗濯物を畳み始めた。 会長の服… 渉さんの靴下… 会長のシャツ… 渉さんの下着… っわ。わ。 見ない。見ない。 渉さんのシャツ…。 こうやって、シャツを広げてみると… 渉さんの背中ってやっぱり広い。 女の私なんかとは全然違って… いつも追いかけてる渉さんの背中を思い出す。 シャツに触れてぼんやりしていた。 おっと、いけない。 お昼も作らなきゃいけないんだから。 私は手早く畳んで他の洗濯物も片付けた。 …アイロンは後でゆっくりしよっと。 私はエアコンの電源を切って部屋を出た。
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