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私は電車に揺られながら、変わりゆく空模様をぼんやりと見つめていた。
夏の天気は変わりやすい。
本当に突然で…
…全く読めない。
さっきまで泣いていた空には水色の斑(マダラ)が覗き始めていた。
厚い雲が流れて、その隙間から光さえも差し込んでいる。
私はぼんやりしながら今朝の渉さんとの会話を思い出していた。
私の思い出の場所に渉さんも一緒に行きたいと言ってくれたこと。
それがこの夏の約束の一つであること。
あの場所は私にとって記憶にない父との思い出の場所だったけれど…
今はもう…
渉さんとの思い出の場所でもあった。
そう思うと急にあの場所に行きたくなった。
私は実家に着いたら行こうと決めた。
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