最後の試練-1

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俺の言葉にアイツは震えながらかすれた声で返事をした。 『…ごめんなさい。』 そうじゃねえ。 そうじゃねえんだ。 お前に謝らせたいんじゃねえんだ。 なあ… …望愛。 アイツを抱く腕に力がこもる。 望愛…。 「…悪かった。」 俺の言葉にアイツは俺の胸に顔を埋(ウズ)めたまま、下ろしていた両腕をゆっくりと俺の背中に回した。 「…こんなにも冷えて…。ごめんなさい。」 謝るのは俺の方なのに アイツは顔を上げる。 泣き腫(ハ)らした瞳が俺を見つめる。 もう… 言葉なんてねえよ。 俺はアイツの唇を勢いよく塞いだ。 もう… …何も言うな。
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