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背中に回されたアイツの手が、俺の濡れたシャツをギュッと鷲掴んでいた。
アイツはかすかに震えたその唇で
俺の想いを受け止めようとしていた。
角度を変えて唇を重ねる間に
激しさは優しさに変わり…
…優しさは甘さに変わる。
全てを失った俺のカラダに
アイツと繋がったその唇から
何かが充電されていくのを感じていた。
充電が完了するまでにはほど遠いが…
俺は本来の自分を取り戻し始める。
本来の自分…
…モンスターだろ?
惜しいが唇を離してアイツの顔を覗き込む。
恥ずかしがるアイツの態度はいつものことだ。
その顔に向かってニヤリと笑う俺の顔もいつも通りだ。
…モンスターの本領発揮だ。
俺はアイツに言った。
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