最後の試練-1

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背中に回されたアイツの手が、俺の濡れたシャツをギュッと鷲掴んでいた。 アイツはかすかに震えたその唇で 俺の想いを受け止めようとしていた。 角度を変えて唇を重ねる間に 激しさは優しさに変わり… …優しさは甘さに変わる。 全てを失った俺のカラダに アイツと繋がったその唇から 何かが充電されていくのを感じていた。 充電が完了するまでにはほど遠いが… 俺は本来の自分を取り戻し始める。 本来の自分… …モンスターだろ? 惜しいが唇を離してアイツの顔を覗き込む。 恥ずかしがるアイツの態度はいつものことだ。 その顔に向かってニヤリと笑う俺の顔もいつも通りだ。 …モンスターの本領発揮だ。 俺はアイツに言った。
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