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心臓が…。
胸に手を置くと、激しく跳ねる心臓の動きが手のひらまで伝わって、手が震えた。
心臓だけがいつも以上に激しく動いて、その他は動きを止めていた…。
…動けなかった。
どうして…。
どうしてそんなこと…。
お願いやめて…。
私はやっと動いた足で一歩後ずさった。
それでも二人の声は耳に届いた。
一歩…。
二歩…。
私は静かにドアから離れた。
暑いはずなのに…
体を鳥肌が覆って、両腕をさすった。
お願い…
…やめて。
私は裏口で靴を履いていた。
渉さん…
ひどいよ。
私は外に飛び出した。
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