最後の試練-2

30/36
前へ
/36ページ
次へ
渉さんが急にカラダの向きを変え、再び私の上になる。 激しいキスが降ってくるのかと身構えると 渉さんの唇は私を包み込むように優しく、角度を変えて何度も降りる。 私が渉さんの唇をついばむように求めると 渉さんの優しさは激しさに変わる。 渉さんの背中に回していた腕はいつの間にか枕元に降りて 枕の端をギュッと握っていた。 渉さんが私の手をほどき、その手に自分の手を重ねた。 絡まる指先 握りしめる手。 何度も求めて 求め合う。 私たちの夜に 終わりがあるのかどうか… わからなくなりそうだった。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2517人が本棚に入れています
本棚に追加