最後の試練-2

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カーテンを閉め切った部屋では、ずっと同じ明るさなので 時間の感覚がまるでなく いったい何時なのかわからなかった。 そんな中で私たちはただカラダを寄せ合って語り合っていた。 渉さんはいつもの調子で、話の途中で私をバカだと言ったり、笑ったり。 でも、私にはもうわかっていた。 それが渉さんの愛情表現だってこと。 …そうであって欲しいという願望かもしれないけど、私を『バカ』って言う時の渉さん よく見たら すごく楽しそうで… うれしそうなんだもん。 「…バカって言わないでください。」 本当はうれしいのに私がそう言った時 部屋の中に大きな音が響いた。 二人で目を見開く。 「…これ。」 私はカラダを起こしながらシーツを手繰(タグ)った。 そのままシーツをカラダに巻きつけて、窓辺に行ってカーテンを開けた。 窓には夜空に打ち上がる大輪の花火が映し出されていた。 少し遅れて届く花火の大きな音が私の胸の中まで響いていく。 渉さんが私の背中から抱きしめる。 「…最高の…夏休みだな。」 私は斜め右上を向いて もう一度 渉さんからキスをもらった。
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