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「はい,鳴海-椎名遅刻-」
体育館まで走ったのに遅れてしまった。
「え-せんせ,まだチャイム鳴ってなかったよぉ?」
「今鳴った」
「え-でもぉ...」
先生のお説教を聞いていると不意にジャージの裾を引っ張られた。
振り向くと剣持がいた。
「何か用?」
「用件がなきゃ話しかけちゃいけないなんて法律も憲法もないだろ」
「まぁないけどさ」
私と剣持が話していると急に寒気がした。
きっと睨んでいるのは鳴海さんだ。
美少女なんだから睨んだ顔が醜く感じるよ。
「椎名」
「なに」
「ジャージ忘れた」
「だから?」
「貸して」
「やだ」
私たちの会話は比較的短い。
それにしても剣持話しかけすぎ鬱陶しい。
私のこと嫌ってんなら構わないでよ。
授業が始まって,バレーボールをやる事に。
パス練習で二人組を組めと言われて,真っ先に鳴海さんが剣持の腕にくっついた。
行動早いな鳴海さん,私もあれくらい俊敏になりたいよ。
「え-栞狡い!
私も剣持さんと組みたい-!!」
凄い支持率だな剣持。
「あ-喧嘩すんなって」
先生が止めに入るけど無駄のようだ。
「剣持-御前人気だなぁ」
「全然嬉しくないけどな」
素直に喜べよ剣持。
私は其処に立ち尽くしていて。
これじゃあ授業終わらないしな。
「じゃあ,剣持御前が誰とやりたいか決めたら?」
「せんせ,それは駄目!
絶対剣持さん椎名さんと組むもん!!」
「別に剣持が誰と組もうと自由だろ-」
そうそう,誰と組もうと自由...ってえ!?
否々,嫌だよ私は剣持と組むの。
すると,後ろから温かいものが。
振り向くと案の定剣持の姿が。
「あんさ剣持」
「せんせ-俺,このチビと組むわ。
此奴転校してきたばっかで全然慣れてないからさ」
「ん-そうしなそうしな」
「剣持,私は嫌だよ」
「御前に拒否権なんてないから。
どうせ鳴海に変な事吹き込まれたんだろ」
驚いて目を見開く。
その場に居なかったのに。
「やっぱりな。
鳴海には気をつけろよ,何考えてるか分からないぞあのアマ」
「そんな言い方ないやろ剣持。
あんただって私にとったら何考えてるかわからんし」
「兎に角,彼奴欲しい物の為なら何でもするような奴だから気を付けろよ」
耳元で剣持に囁かれた。
気を付けろ,か
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