プロローグ

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「はぁ、激しく鬱だ、なんていうんでしょうねこういうの・・・そうか欝だな」 やぁ、みなさんこんにちは、僕の名前は三月、さんのつきって書いてみつきって読ませるんだ、ははっ、ありふれてるだろ? 因みに苗字はない、何故か?それはだ、なんでも僕は物心付いた頃・・・いや、だぶだぶ言ってた頃には既に施設・・・国の管理する、事情とか親無しとか捨て子とかの暮らすあれな・・・に、ただ三月、とだけ書かれたプレートと一緒に捨てられてたらしんで、苗字は無い なんで名前は書いてたのに苗字を書いてないんだろうとか、名前を付ける位なら捨てんじゃねぇよとか、昔はそれなりに考えて悩んでたりしたけど、最近はなんだか面倒になったのですっぱりとそれに関する思考を停止してる それで、だ・・・さっきの僕の呟きなんだけど、あれは別に中二病とかにやられたとかちょっと痛い子だとか電波を受信したとかじゃないんだ なんかさ、僕、死んだらしいんだ ・・・うん、なんだろう激しく欝だ、どうしてこうなったんだろう たしか・・・そうだった、普段通りに施設の仲間と戯れてたら急に目の前が真っ暗になって、それで・・・気付いたら、真っ白な空間に漂ってて・・・ その真っ白空間に真っ白スーツと純白の翼っていうコンセプト不明のコスをしたイケメンの男が現れたと思ったら、へらへらとお前死んだよ発言されて・・・ 証拠の映像・・・施設の皆が息をしてない僕の体を揺らしながら起きて起きてと泣き喚いている映像を見せられて・・・ 「どうして僕は死んだんだよ・・・」 現状を確認し、僕は前方にたたずむ、件のコス男にそう言葉を投げかけた 「すまない、きみは手違いで死んだみたいだ」 口調はとても厳かにも関わらず、へらへらとした様相は崩さずに応えるコス男 「は?」 手違い・・・?なんだよそれ・・・それじゃあ僕は間違いで命を失ったってのか?そんなの・・・ 「うぐっ!?」 僕は、眩暈と共に込み上げる嘔吐の衝動を必死に押し殺す、いっその事吐き出してしまった方が楽なのかもしれないけど、へらへらと笑う男の前で弱みを見せるのは、僕の性格とプライドが許さなかった
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