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「…ゼティス、一応もっかいいっとくぞ?配布物とかってのは教師からの手渡しの場合と、各生徒に割り当てられてる寮の自室に置いてある転送箱に入ってる場合の二つがある」
「うん」
「んで、なんで二種類あんのかってのは、教師からの手渡しの場合は、他の生徒に漏らしてはいけないようなもんの場合で、転送箱は逆にどんな生徒に見られてもいいものだ、まぁ全生徒へ一括でおくられるもんだからな」
「ふーん、まぁ…重要か比較的どうでもいいものって感じで、分けて覚えればいいんだね?」
「ああ」
聞いてもいないのにここまで詳しく教えてくれるなんて、リュディアスはなんてお人よしなんだろう、しかもついさっき自分のことを馬鹿にしてたような奴に…あ、そういえば理解できてなさそうだったモンね、納得
「あれ、そういえばさ」
「おう」
「転送箱…ってなに?」
「…おう?」
「え」
「…」
あ、れ…?なんでこんなに困惑したような顔されてるんだろう…僕は思ったことを口に出しただけなのに…
「あのよぉ…さすがに転送箱はしってるだろ?ゼティス」
「いや…知らないから聞いてるんだけど…」
「おま…はぁ…」
「ため息!?なにそれ!?そんなに常識的なことなの!?そんなに脱力されるぐらい阿呆なこと聞いてるの僕!?」
いやいやいやいや…待て待て、少なくとも、僕はこの世界に産まれ落ちてこのかた十数年、転送箱だなんていう代物、見たことも聞いたことも無いはず、つまりはだ、少なくとも世界に広く広まっているようなものでもなく、ということは必然的に知らない人間がいてもおかしくはないってことなのではないのだろうか!?
「あー…転送箱…ってのはよ、ここバリスト学園特有の転送術式でよ」
「特有って…なら僕が知らなくても仕方ないね」
「いやな?ゼティス、おまえ…ここは魔法学園だぞ?しかも、平民、貴族、王族、それらすべてを問わず才能のあるものが多く集まる名門、そのバリスト学園特有の術式、そんなもんが有名じゃないはずがないだろうが」
「え…ていうかバリスト学園って名門だったんだ…」
手続きの前にライネが試験にどうこうとかいって、魔法訓練、剣技訓練というなの一方的な攻撃にさらされたのは覚えてるけど…そうか、あれって、名門が故の試験だったんだね…
恐怖のあまり数日間ライネと会話することさえできなかったからなぁ…
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