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「なぁ…ゼティス、おまえ…よく入学できたなぁ…」
「うん、僕もちょうどそう思ってたよ、だからねその何かおかしなものを見るような目をやめてくれないかな、リュディアス」
でも、よくよく考えると、僕は基本的に家の外へ出たこととか無かったし、魔物の生息地や生態、魔法や剣術にかかわること以外、自主的に調べようとしたこともなかった
この世界の勉学も、日頃の鍛錬の合間にライネが教鞭を振るってくれていたし、この学園にきたのだって、ライネに紹介されたからだ
…
あれ、客観的にみると、僕ってかなり俗世との関係を絶った、ある種、特殊な
感性をもった人間に見えるんじゃないだろうか
「うん、僕が少し人と違った知識の偏り方をしてるのはわかったよ」
そして、僕は別になにかしらの知識を披露したわけでもないので、周りからはただの知識の足りない馬鹿にしか見えていないだろうということもね…
「えぇと…それで、いまから魔武器の生成を始める…ってことで良いんだよね?」
「そうだな、ついでに付け加えると…さっきも言ったが、俺たちⅢクラスはこの教室で行うから移動する必要がない…って、ゼティス、おまえ、まさか魔武器さえ知らない…なんてことは無いよな?」
「あはは…まぁ、そう思われても仕方ないかも知れないけれど…うん、大丈夫、さすがに魔武器くらい知ってるよ」
恐る恐るといった風に僕に確認を取るリュディアスに僕は苦笑しつつ答えた
魔武器とは、字のあらわすままに、魔を秘めた武器のことを指す
そして、魔武器は人によって異なる多彩な能力を宿しており、なおかつ魔武器を作った本人にしか扱うことができない、という性質を持っている
魔武器を作る方法は三つほどあり、魔石とよばれる、魔力を込めることによって、形状・質量・性質の変わる石を使ったもの
市販の、何の変哲も無い武器に、魔法陣を刻むことによって魔武器とする方法
最後に…これはおそらく僕の実家、ゾルディ家にしか伝わっていない、門外不出の方法…人体に直接、魔武器を作り出す魔法陣を刻むことによって魔武器を生み出す方法
正直、没落(寸前)貴族である僕の家に、なぜそんなものが伝わっているのかはわからないけれど…ただ一つわかることがある…
人体に魔法陣を直接刻むのはとてもとても痛いだろう、ということだ
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