第三章~没落貴族の魔武器生成~

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「秘密、ってのはだめか?」 僕の中にあるリュディアスの馬鹿っぽいイメージとはかけ離れた、神妙な顔つきで言うリュディウス 「うーん…どうだろ、僕、とある理由でこの国の軍へ所属しちゃうことになってるんだけど…君がもし、スパイだったりとかしちゃったら、僕、反逆者扱いされちゃうかもだし」 「なるほど…ここで俺がスパイなんてモンじゃない、つっても、普通はしんじねぇよな」 参ったなぁ、といって頭をかくリュディアス まぁ…僕としてはリュディウスは信用に値する人物だと判断しているし、問題は無い、その信用が数分ほどで生まれたものだとしても、直感で信じて大丈夫だと思えるし、間違っていたとしても、それは僕が馬鹿だったというだけだ 「リュディアス、僕は別に君を疑ってるわけじゃない、だから、君が僕に話しても大丈夫だって思えたら、そのとき話してほしい」 「…」 「それに僕は口が堅い、だから君の失言…かな?それも他言しない」 「そうか…そう、だな、ありがとよ、助かる」 「どういたしまして」 ただ、ものすごく申し訳ないというかなんというか… 「ここ、教室だし…ほかの生徒にきかれてたら、僕にはどうしようもないんだよね…」 ミルンの件もあり無駄に注目されている今、これまでの会話をすべて聞いているやつがいても不思議ではない そう思って、できる限りの申し訳ない表情をしながらリュディアスに声をかけた、のだが 「ああ、安心していい、詳しくはいえないが、ちょっとした小細工をしてあってな、よほど近くに寄られない限り、俺たちの話し声は聞こえないだろう」 「…へぇ?」 それはそれは…ずいぶんと用意周到なことで…うん、こいつ、馬鹿キャラを演じてやがったな? 「リュディアス、君、本当にスパイじゃないんだよね?」 「え!?信用してくれてたんじゃなかったのかよ!?」 「いやぁ…あまりにもリュディアスが怪しいからさぁ」 「満面の笑みで言うことじゃないぞ…それ」 あれ?僕、笑ってる?そんなつもりは無いんだけどなぁ 「まぁいっか、それじゃあ、魔武器生成、始めようか?」 「おう」 こうして、なんだかよくわからない男、リュディアスと僕は知り合った 「そして、僕たちの運命は動き出した…」 「急にどうしたんだよ、ゼティス」 「え?今口に出してた?」 「ああ、思い切り」 「Oh…」
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