男の名は

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男の名は

とある場所での戦いで男は煙草を吹かしながら、呑気そうに戦場を歩いていた。 男の名前は杉本蓮次。 魔導国家フィザイアのタリズマンで、担当は敵の追撃と迎撃。 魔術と大鎌による攻撃で敵を圧倒する戦場の死神。 死神というのは大鎌を持っている事からの名前だが個人的には気に入っているようだった。 「しっかし…戦いなんて面倒なだけなのによ…。何でお偉いさん達は戦いを好むのかねぇー」 煙を吐きながらの独り言。 その表情はだらしなく、とてもタリズマンとは思えないものだった。 「無駄口を叩く暇があるなら仕事をしろ」 「あー…聞いてたんスか?隊長は仕事熱心なこって」 蓮次に隊長と呼ばれる長身の男。 名前はアスタ・クラウン。 若くしてタリズマン第八部隊隊長に昇級したエリートだ。 「今はメリクルの第三騎士団との戦闘中だ。よもや自分の仕事を忘れた訳ではあるまい?」 「ヘイヘイ…」 はぁ…。 俺、騎士ってどうも苦手なんだよなぁ…。 蓮次はそう思いながらだらしない表情のまま、騎士達がいる陣営まで走っていった。  
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