2014※精なるxxx※

6/51
627人が本棚に入れています
本棚に追加
/353ページ
【Ⅳ】 「あ、れ……?ここ……」 ふるりと瞼が震えて、低く掠れた低音が心地良く耳を擽った。ぱちぱちと数回瞬きを繰り返す大きな瞳を見下ろす。薄いコンタクトレンズの膜が、ぎこちなく上下するのを見守った。 「は、あ?っ……!」 「おはよう。よく寝ていたね」 くすりと笑う俺の膝に頭を乗せた黒川の目が、いちだんと大きく見開かれた。 「おわっ……かっ、会長っ!?」 勢いよく飛び起きる身体がグラリとふらついて支える。 「うん?急に起きたら危ないよ」 「すんません……っ!じゃなかった!すみません俺なんで寝て……?」 「間違ってシャンパン飲んだの覚えてるかな?」 「はい?」 「酒弱いの……?」 俺専用のテラス席は個室のようになっている。ソファーに押し倒すと黒川が、ぼんやりと俺を見上げていた。
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!