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「一度、部屋に戻るか……」
我々風紀には、今回“部屋”が割り当てられた。とても悪趣味な部屋だ。御厨一族の精神構造を若干疑ったが、外見だけは可憐な生徒会副会長、御厨遙には皮肉な程それが似合う。奴の祖父は孫を溺愛していると訊く。母親も同様だ。奴の父親は身体が弱く、また御厨遙に瓜二つの容姿だと風紀のデータにある。桐之蔭からの情報によるものだから間違いないだろう。奴は最高に食えない男だが、情報に間違いがあった試しがない。
「どこだ、ここは……」
俺は無力だ。
「携帯をなくした……だと?!」
しかも迷子だった。
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