2014※精なるxxx Ⅱ※

38/45
前へ
/353ページ
次へ
散々迷った挙げ句、ようやく部屋のある階へ辿り着いた。広い廊下には重厚な絨毯が敷き詰めてある。やはり華美な内装だが、絨毯に限ってはスムーズな歩行が出来たので、ちょっと満足する。 「やはり広過ぎる」 部屋のナンバーを確認しながら歩く。クリスマス当日の今朝早く、すべてを手配した花開院から招待状とともに部屋のカードキーを渡された。御厨の差し金かと思ったが、“会”が始まってすぐ、会場に向かうと不機嫌な顔をした御厨がいた。奴の視線の先には俺を夢中にさせる笑顔の黒川奈央が居た。だが、黒川の隣で微笑む男を見た瞬間、俺も御厨と同じ顔をしたに違いない。
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!

627人が本棚に入れています
本棚に追加