第1話

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 久しぶりに悪友が彼の自宅での夕飯に誘ってきた。秋の味覚の王様をごちそうしてやると言われた俺は、半信半疑で会社帰りに彼のアパートに寄った。  あだ名が「熊さん」という大柄で腹が出っ張ったその悪友の狭いアパートの部屋は相変わらず散らかりっぱなしで、ムッとする臭いが立ち込めていた。  見た目は正反対の俺とはなぜか昔から気が合って、たまにお互いのアパートに押しかけて朝まで飲み明かす事も多い仲だ。
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