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「ここなら誰も人は来なそうだね。早く話の続きを訊かせてくれないかい」
朝美は待ちきれないという感じで、俺に催促してくる。
俺がよく寝に来ている体育館裏には人は誰もいない。ここなら誰にも話を聞かれる事はないだろう。
「慌てるなよ。まずさっきも言ったように2人が付き合ってたのは去年までの話で、過去の事だ」
中3の時から付き合っていたので2年ぐらいは付き合っていたという事になる。
「でも1年の時に優希は、誰とも付き合ってないと言っていたよ…同じクラスだったし仲は良い方だと思っていたのだけど…そうに思ってたのは私だけだったのかな…」
朝美は珍しく暗い顔をしている。まあ事情を知らないから当然ちゃ当然だよな。
「知らなくて当然だ。知ってるのは俺と杏だけだったからな。言いたくても誰にも言えない事情があったんだ」
「なんだか勿体ぶっていないかい?早くその理由を訊かせてくれよ」
朝美はなんだか不満そうに顔をしかめていた。
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