chapter2

24/37
前へ
/220ページ
次へ
「ここなら誰も人は来なそうだね。早く話の続きを訊かせてくれないかい」 朝美は待ちきれないという感じで、俺に催促してくる。 俺がよく寝に来ている体育館裏には人は誰もいない。ここなら誰にも話を聞かれる事はないだろう。 「慌てるなよ。まずさっきも言ったように2人が付き合ってたのは去年までの話で、過去の事だ」 中3の時から付き合っていたので2年ぐらいは付き合っていたという事になる。 「でも1年の時に優希は、誰とも付き合ってないと言っていたよ…同じクラスだったし仲は良い方だと思っていたのだけど…そうに思ってたのは私だけだったのかな…」 朝美は珍しく暗い顔をしている。まあ事情を知らないから当然ちゃ当然だよな。 「知らなくて当然だ。知ってるのは俺と杏だけだったからな。言いたくても誰にも言えない事情があったんだ」 「なんだか勿体ぶっていないかい?早くその理由を訊かせてくれよ」 朝美はなんだか不満そうに顔をしかめていた。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加