chapter2

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「すべては雨音を守る為って言えば良いのか。裕太がモテすぎるから、他の女からの妬みが凄くてな。だから高校ではみんなには内緒にしようってなったんだ」 それだけの妬みや嫌がらせを雨音は中学の時に受けてきたのだ。 朝美はなるほどと深く頷いていた。昨日の光景を見たら誰でも納得するだろう。 「話は良く分かったよ。ただそれだと別れる理由にならなくはないかい?」 「まあな。でも裕太が雨音を振ったんだよ。理由も言わずに一方的にな」 「えっ?それはなぜなんだい?」 その理由は俺と裕太しか知らない。当事者である雨音も。 「その理由は雨音も杏でさえも知らない話なんだ」 俺はまっすぐ朝美の顔を覗き込んだ。 「大丈夫。優希や杏奈には絶対に言わない!信じてほしい」 朝美は俺の顔をまっすぐに見つめてくる。嘘は言っていない真剣な顔だ。
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