chapter2

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「わかった。理由は最初に言ったけど雨音を守る為だ。去年2人でデートしてるところを学校の奴に見られたらしい。中学の時の嫌がらせは本当に酷かった。それを繰り返さないように完全に関係を断った。それから2人は会話はおろか、目さえ合わせてないぐらいだ」 「たしかにあの2人が付き合っている噂は聞いた事はないよ。それだけ接点がなければそうなるよ」 「あぁ。噂になる前に接点をなくせば、誰も信じたりはしないからな」 ただあくまで俺の主観ではあるが、まだ2人はお互いを好きでいると思う。 だから雨音には今回の件で、裕太を説得してもらいたいと思っている。 「陽介の考えている事はだいたいわかったよ。優希に相川裕太を説得してもらいたいんだろ?でもね陽介。女の私の意見を言わせてもらえれば、それは凄く自分勝手な事なんだよ」 朝美の言う事はわかっているし、ごもっともな意見である。でも、でも俺は… 「それはわかってる。ただ俺はどんな汚い事をしてでも裕太に転校してほしくない」 「男の友情ってやつかい?ただ陽介にとっての相川裕太と同じで、優希は私の大事な友達なんだよ。だから優希が嫌がる限り、悪いけど協力はできないよ」 わかっている。元々誰かに協力してもらおうだなんて思っていない。俺が雨音を説得してみせる。俺はさらに気持ちを強めた。
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