chapter2

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「杏、今日暇か?」 放課後、俺は杏にこれからの予定を訊ねる。 「ん?今日は特別予定ないよ。裕太君の事でしょ?」 さすがは杏だ。俺の考えている事をわかっている。誰の協力も得ないと考えたが、やはり雨音を説得するには杏の協力は必須だった。 「良かった。じゃあ行こう」 杏は頷き、席を立ち上がる。朝美も協力してくれたら本当に助かるのだが、仕方がない。 「優希が少し言い過ぎたって反省してたよ」 学校の帰り道に杏がぽつりと呟く。俺と雨音が言い合いになるのはいつもの事なので気にしていない。 「そうか。裕太の事でなにか言ってたか?」 杏は首を横に振る。やはり雨音は裕太に関わりたくないらしい。 俺は杏に協力してもらえるように頼む為、今日朝美に話した内容を伝えた。
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