chapter2

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『ごめん優希がいるから電話したらバレちゃう。もうすぐ着くから待ってて!』 しばらく待つと杏と雨音が俺の前に現れた。 「なんであんたがここにいるわけ?」 「買い物しに来たんだよ。こんな偶然もあるんだな」 偶然ではなく必然なのだが。俺はたまたま買い物をしにきたと偶然を装った。 「せっかくだから一緒に中を見て回ろうよ」 「まったく。分かったわ!早く中に入りましょ」 雨音は渋々といった感じでショッピングモールの中へと入って行った。 「陽ちゃん、裕太君居ないじゃん!」 「わりー。引き留めたけど、先に中に入っちまった。電話も出ないし、どこに居るかわからん」 杏は呆れた顔をしていた。そんな顔をしてもらっても俺は困る。 「じゃあ早く中に入ろ!」
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