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「パーティーを始めようじゃないか」
勝手に始めてくれ。
ゴールデンウィーク3日目の昼過ぎ、部屋で委員会活動の疲れをとっていたおれの所に来た佐育先輩がそう言った。
「こんにちは
なんのパーティーですか」
「そんなの決まっているだろう、僕達の歓迎パーティーだよ」
そういうのはこちらが企画する物なんじゃないだろうか。
「誰が来るんですか?」
「僕達はこちらの知り合いがいないからね、にわとり丸の知り合いを連れてきてくれ」
誰を連れて行こうか迷う事はない。何故なら、おれの知り合いでまだ寮に残っているのは1人しかいないからだ。
「分かりました、どこでするんですか?」
「僕達の部屋」
「準備したらすぐ行きます」
ああ、と言って部屋を出て行く佐育先輩。今更だが先輩達の部屋に行くのはやめた方がよかったのか?まあ、いいか。
「電話でいいか」
「・・・あ、小野塚?」
意外と電話に気づくのが早い。
〔おお、とり丸か どうかしたか?〕
「昨日話した先輩達いただろ?
その先輩達が歓迎パーティーをやろうと言ってきて」
どうせ暇だろう。
〔え、それ俺も行っていい感じ?〕
「ああ おれの知り合いを呼んでいいと言われたんだが、残っているのは小野塚しか思い当たらなかった」
〔まじか 俺も参加させてもらうわ
例の佐育先輩って人も見てみてえし〕
よかった。もし断られたらどうしてくれようかと思った。
「じゃあお菓子とかあったら持って来てくれ、おれも買っていくから」
〔はいよー
って、それどこでやるんだよ〕
「先輩達の部屋だ、304号室」
〔そこって、とり丸の隣か?〕
少し声が低くなる小野塚。
「ああ、ちゃんとするから大丈夫だ」
そうか、とだけ返す小野塚に、またな、と言って電話を切る。
おれが動揺してしまったせいでもあるが小野塚は心配しすぎだ。まあ、なるようになるだろう。
寮の外にコンビニがあるのは配達の時に知った。そこでお菓子を買えばいいだろう。
昼ご飯食べたばかりだけどまあいいか。
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