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「大きい・・・」
匠が小さいと言うのもあるけど、それを抜いても大きい人が現れた。
「ハーフ?ハーフアンドハーフ?」
「落ち着け、小野塚」
混乱する気持ちも分かるが。
「う、梅井・・・いや、仕事は終わらせた、よ」
あれ、会長が小さく見える。物理的な話じゃなく。気持ちてきな話。
「ちっ、なんだつまんねー」
会長に対してこんな物言いをできると言うことは、生徒会の人か?
「皆、こいつは副会長の梅井 誠芽-うめい せいが-君達の1つ上の2年生だよ」
「よろー」
「どうも」
さっきは思わず驚いていた匠達も落ち着き、挨拶を交わす。
やっぱり大きい。オーラというか、存在感が。小野塚がハーフと疑ったのも分かる。髪は黒というより濃い灰色。目も髪と同じ色をしている。
「あ、俺っちのイケメン顔に見惚れてる?まあ仕方ねえよ、こんなにイケメンだもんな ちなみに俺っちはクォーターだ」
うんうんと1人で勝手に納得してる。確かにかっこいいけど頭が少し小野塚寄りっぽいぞ。
「見惚れてる訳じゃ・・・いいや、ところで先輩達、何組ですか?」
匠が反論しようとしたが未だに自惚れてる梅井先輩を見て諦めた。
「僕達はそれぞれ1組だよ」
「ま、俺っちとしては当然だな」
「こんなナルシストが1組・・・?」
性格は関係ないだろ。それに、
「仮にも先輩に対して失礼だろう、その言い方は」
そう言うと匠はうっと唸った。
「すいません、イメージと違って驚いてしまいました 深い意味はありません」
「匠の敬語って何か敬意をはらってるように聞こえないよな」
同感だが小野塚、今言っちゃだめだ。
匠に聞こえる。
「うるさいよ、小野塚 敬語は言えてればいいんだよ」
つまり、敬意ははらっていないと。
「ははは、別に気にしてないぜー」
「尊敬されるような奴じゃないからな」
「会長ー、そう言う事言っていいんすかー?俺っち泣いちゃうぜー?」
笑顔で言ってるのが怖い。さっき離した手でまた会長の頭を掴んでいる。
「い・・・!分かったから、ごめんごめん!」
「会長弱し・・・」
「小野塚、そう言う事は思っていても黙っておくものだ」
「そうだよ、これだからアホ塚は」
「ひでえな、お前達も思ったろ?」
思ったが、言ってないからお前よりはましだ。等とわざわざ言わない。面倒だから。
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