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ていうか、
「よく3組入れたな、抜き打ちだったのに」
クラス編成のテストは抜き打ちだったから、小野塚とはもう同じクラスにはなれないと思ってた。だってこの人日頃勉強しないし。テスト毎回一夜漬けで乗り切ってるし。それで何とかなるのがまた嫌だ。
「元担任がさあ、卒業式の日にテストの日付教えてくれたんだよ」
元担任め、余計なことをしたな。まあ同じクラスなのは嬉しいが。
「それで、ちゃんとしたんだよな?」
そうじゃないと元担任報われない。
「ばっちりした」
前を歩いてた小野塚がこちらをむいて、親指を立てた。
「二日漬け」
「意味分かんないから」
なんだ二日漬けって。1ヶ月は時間があったはずだろう。
「後回しにしてたんだ
まあまあ、気にすんなって、体育館つくぞ」
話そらすなし。ていうか体育館やっとか。
何気に遠い。もう疲れた。寝るか。入学式だし。
「おれ寝るわ」
「俺もー」
2人でそんなことを言いながら体育館の扉を開けて入っていった。
「ーーーーこれからの学園生活が実りの多いものになりますように。生徒会会長、越島 悠希-こえじま ゆうき-」
ふっふっふ、長年の恨み晴らさせてもらじゅるり・・・涎垂れた。夢見てた。だが安心だ、お面で見えない。ついでに後ろの人も前が見えてない。悪気はない。許してくれ。
しまった、いすに座ってすぐ寝てしまった。いつ入学式始まったんだ?時間は・・・おやつの時間か。今の壇上の人は会長って言ってたし、後少しか・・・て、え、え?会長?あの人?あの人会長?嘘だろ・・・。
思わず周りをきょろきょろ見る。周りは至って普通だ。何でだ、何で平然としていられるんだ・・・
あの人は、確実に、昭和の人だろ?
レンズが厚すぎて目が見えない眼鏡に、きっちりと七三に分けてある黒い髪。少しこけている頬。この学園の制服はおしゃれなブレザーのはずなのに着ているのは金色のボタンがまぶしい学ラン。
どこからどうみても昭和の苦学生にしか見えない。これは偏見か?そうなのか?皆偏見なんかもってませんてか?だから何も反応しないのか?
・・・落ち着こう。冷静になれ、あの先輩は真面目なだけだ。制服は・・・きっと生徒会仕様になっているんだ。坊ちゃん校だから、金があるんだ。
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