2羽目.おれは委員長。

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鍵を開けて、しばらく経ってから古屋敷が来て、ようやく今関が来て、全員そろった。 「もう今届いている手紙は仕分け終わったよ」 ただ今15時50分。配達まであと10分。 「そういえば、なんで16時に配ったあと、17時半にまた配らなきゃなんだよ、1回でよくね?」 「17時頃が荷物のくるピーク時間だそうだ」 「そうなんだ」 「ふーん   あ、そういえば、外に出す荷物ってある?」 絶対忘れてたな。 「今日はないが、もう少し早く来ないと荷物がある時は帰るのが遅くなるぞ」 「ういーっす  外に出すのって1回だけだよな?」 「ああ」 よっしゃ、とガッツポーズをする関。 「にわとり丸、そろそろ行く?」 「そうだな、さっさと行くか」 「へいへーい」 皆気分で鞄を決められるのだが、何故か今日は全員そろって肩にかけるタイプ。 「鍵は閉めていくから、まあ、おれが来てなかったらぶらついててくれ」 「合い鍵とかどっかに置いときたいよね」 「作るか、合い鍵」 あった方が便利だよな。 「合い鍵とか勝手に作っていいもんなのか?」 「だめだろ、あとで静一さんに聞いてみる」 小屋の前で鍵を閉めながらしばらくしゃべっていたが、そろそろ行かないと。 「よし、じゃあな」 「いってらーいってきー」 「またあとで」 おれは生徒寮担当なのでまあまあ近い。高等部入り口から見て、正面に校舎、その左側に職員寮と駐車場があって、校舎の右側に生徒寮がある。 近いけどよく考えてみると面倒だな。職員寮は生徒寮と比べれば人数少ないし、職員室なんてその中歩いてれば終わるのに生徒寮は1階から・・・何階だっけ、10階?まで行かなくてはいけない。 皆手紙を出すな。 まあ冗談だが。少しでも効率よくするために、古屋敷が鞄に入れるとき上の部屋から入れてくれてるので取り出す時は下の部屋から出てくる。なんていい人。おれだったら届いた順番に入れてたな。 「ふう」 急がなくてはいけない気がして小走りでやって来た。 最初は、13号室か。 確認して郵便受けに入れる。 思ったより早く終わるかもしれない。 「え?あ・・・いや、ぎゃあああ!」 いちいち周りの人が悲鳴を上げなければ。
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