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放っておくとおかしな噂を立てられそうでいやだ。
「え?え?なんでここにこんなのがっ」
こんなの扱い。酷いな。
「怪しいものじゃないです おれは1年3組にわとり丸 あなたは高等部からの方ですね」
「う、うん 1年5組に今年から・・・生徒なの?」
なんだ、同い年か。
「ああ、だから騒がないでくれないか
委員会活動中なんだ」
「そうなんだ・・・ごめんね、ちょっと驚いちゃって」
あの悲鳴はちょっとどころじゃなかったけどな。
「それじゃあ」
ばいばい、と律儀に手を振り替えしてくれる5組の人。
面倒だからもう叫んでる人がいても極力無視しよう。
気を取り直して、次は33号室か。大分向こうだな。
音をたてないように静かに軽く走る。何故か?人に見つかりたくないから。
33号室はこの先にある、はず。
あった。曲がり角を曲がってすぐ左。
はてさて次は、とんで307号室。おれのご近所さんか。
来た道を戻って階段を上る。目指すは4階。
「エレベーター・・・」
疲れた。何をしているんだおれは。
実は郵便委員会ってただの使いっぱしりじゃないか?
ちょっとお手紙届けて来て、みたいな。
「よいしょっと」
最後の段を上り、曲がり角を曲がる。
「おっと・・・大丈夫か?」
と、確認せずに飛び出してしまったせいで誰かにぶつかりそうになった。
「すいません、急いでいたもので」
って、
「祭先輩じゃないですか」
「おお、とり小僧じゃないか」
小野塚のジャージよりも薄いオレンジ色の上下のジャージ。同色の帽子をかぶっていて、いつものスキンヘッドは見る事ができない。腰にはポーチをつけていて、靴は学校指定の物でなく、白い運動靴をはいている。
これが体育委員長・・・。
「どうしたんだ?こんな所で」
「委員会活動中です」
手に持っている手紙をひらひらとしてみせる。
「郵便委員会か とり小僧が委員長なんだろ?」
「どうして知ってるんですか?」
「この間・・・つっても昨日か、超島に聞いたんだよ」
あの人会長だから知ってて当然か。
「ま、明日委員長発表あるからまたその時に」
じゃあなー、と走り去る祭先輩。
委員長発表?聞いてないぞ。
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