36人が本棚に入れています
本棚に追加
委員長発表から約1ヶ月程経った。
委員長発表は体育館で行われたのだが、生徒達の視線が熱かった。いや、熱くない生徒もいるが、熱い生徒はとても熱い。まるでおれを焼こうとしているのかと思うほどだ。
そんな視線を終始浴びながら発表は終わり、今はゴールデンウィーク2日目。
帰っている生徒も多いのでいつもより静かだ。
「・・・」
しゃべる人が誰もいないから小屋の中も静かだ。
ゴールデンウィーク中は来れる人が来れる時間に来て、なるべく小屋の中が無人でいる時間をなくして欲しいと静一さんに言われた。
昨日は古屋敷もいたのだが今日はいない。昨日の朝すたこら帰って行った関はゴールデンウィーク最終日に帰ってくるらしい。
2人ともお坊ちゃんだからいろいろあるんだな。おれと違って。
と、今ノックが聞こえた。やっと荷物がきたのか。
「ちわー、お荷物でーす」
「ありがとうございます」
んじゃ、と帰って行く配達人。昨日も顔を合わせたが、その時さんざん騒がれた。警察に通報されそうになった。が、そのおかげで今は無駄なやりとりなく終わった。
こちらに目も顔も向けなかったがな。
まあいいや。テーブルに置かれたダンボールを開く。中には手紙やら小包やら。
これを1人で配らなきゃいけないのか。
面倒だが、配らなきゃ終わらないし、
「やるか・・・」
「疲れた・・・」
荷物を全て配り終わり、ただ今教員寮からの帰り道。
始めたのは10時半なのにもう11時50分。お昼の時間だな。
校舎の方の食堂は開いていないが、寮の方はゴールデンウィーク中も開いている。開いていなかったらコンビニ生活だな。料理できないわけじゃないが、進んでやろうとは思わない。
「何食べようかな」
ラーメン食べたい気分。今はあの勝負売ってくるウェイターさんもいないし、好きな物を食べられる。
突然、木々が生い茂っている道の脇で何かが動いたような音がした。
「ーーーー!」
誰かの話し声が聞こえる。こんな所で話すなんて変わった人たちだな。
「ーーいいよ!オレが行くから!」
と、こちらに向かってくる足音。
「・・・よ」
「どうも・・・」
誰だ?この人。
最初のコメントを投稿しよう!