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「塚七か、面倒な奴がいるな・・・俺は今年で30だ」
ああ、塚七 将之-つかな まさゆき-だ。変わり者と聞いた事があるが面倒とか言うな。
「よし、じゃあ全員自己紹介するか」
質問1つしか聞かないのか。やる気あるのか。ないんだな。
「名簿順も楽しくないな、じゃあ・・・」
楽しさを求めるな。こっち見るな。
「目そらすな、お前だ、にわとり」
「にわとり丸ですー、にわとりとか止めてくださーい」
トップバッター嫌だ。
「まあいいや、にわとり丸でーす
ここの中等部出身で、ちょっとシャイな15歳でーす よろしくー」
誰だ、嘘だとか抜かしたのは。本当だ。実際お面の中は汗で湿り具合がすごいぞ。見せないが。
「にわとりだけど良い奴らしいから皆関わってやろうなー」
元担任情報だなそれは、おれは見たぞ。卒業式に元担任と松原先生が喋ってるのを。
「んじゃあ次ー・・・」
その後全員自己紹介をすませ、ホームルームも無事終了し、解散になった。
「とり丸ー、飯食いに行こうぜ」
「行く行く、初、ここの食堂」
小野塚と話してると匠も来て、3人で食堂に行くことになった。
「やっぱりこの学園広いよね」
無駄に、とか続けて言う匠。言っちゃだめ。
「ランニングがどこでもできるな」
「勝手に走ってろ」
「僕らはご飯食べてくるから」
冷たくあしらわれる小野塚。仕方ないんだ、こいつはなんでもかんでも体を鍛えることに繋げるから面倒なんだ。
「あ、食堂」
立ち直った小野塚が一番に食堂の入り口を発見。おれ達が横に並んでも楽々入れそうな扉。こんなに大きい生徒はいないと思う。やはり無駄だ。
「なんかお金持ちになった気分」
こんなにスケールが大きいとな。おれの意見に賛同してくれる2人。
席を探すためきょろきょろしてる。人が多くて分かりずらい。
「あ、あそこ空いてるよ」
匠が3人座れる円いテーブル発見。急いで確保ーとか言って走り出すおれ達。
「やっと昼飯が食えるー」
小野塚が大げさにふー、とか言ってる。
食堂には各テーブルお品書きが置いてあって、お店みたいに決めたらテーブルの機械押して、ウェイターさん読んで、持ってきてもらうか、食券買って自分で持ってくる。ものに違いはあまりないから皆気分でやってる。
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