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その後、元茂と2人で警察に事情を話し、犯人を捜したが見つからず。
どこにいるのか分からない犯人にまた襲われる危険もあるから、と家族や元茂に言われ、おれは県外の帝旭学園中等部に転入した。
というのがおれが中学の時に起きた事件。その犯人は未だ見つかっていない。犯人を見つけて、1発殴ってやるのがおれの夢。
どこから情報が漏れるか分からないからにわとりのマスクを被り、名前を隠している。
「今更だけどよ、元茂ってどうやってお前の居場所が分かったんだ?」
ていうか、なんで攫われてるって分かったんだ?と、続ける小野塚。
「・・・プレゼントでくれたペンに発信器がついていたらしい
それで、いつもなら家にいる時間なのに違う場所にいたから不審に思ったそうだ」
「そ、そうか・・・」
頬がひきつっている小野塚。
「警察の人にばれた時に外したけどな」
分かっていて持っていられるほど図太くはない。
「ここに来たのって、俺がいるのをおばさん達が知ってたからだよな?」
「ああ、そう言ってた
それより、佐育先輩だ」
佐育先輩は、おれの事を唐丸と呼んだ。
「唐丸の兄さんなわけねえし・・・
でも、背丈とか声とか似てたか?」
「1年以上も前の事だから声は似ているかどうか比べられるほどはっきりと覚えていない
背は・・・今のおれより少し高いくらいだから同じくらいかもしれない」
うーん、とうなる小野塚。
大体人の記憶なんてあやふやな物だ。声は似ていると言えば似ていると思うし、似てないと言えば似ていないと思う。
「可能性は高いかもしれないけど、唐丸、その人の事見た事あるか?」
「見た事・・・無いと思う」
視界の端だとしても、毎日見ているのなら分かると思うんだが。
「そうか・・・とりあえず、元茂に連絡入れておくわ」
「ありがとう
・・・これから様子見てみるか」
「ああ、それがいいと思うぜ」
落ち着いてきたので入れてもらったお茶を飲む。冷たくて美味しい。
「冷たい・・・郵便委員会の仕事意外と大変なんだ」
「あはは、みたいだな」
ま、頑張れ、と言う小野塚。
「小野塚、来年郵便委員会やってみろ」
「そりゃ無理だな、体育委員会入るから」
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