1羽目.おれは人。

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「俺日替わり肉定食ー、お前等どうする?」 お品書きを見てた顔を上げてそう言う小野塚。迷うな・・・。 「シーザーサラダとイカスミパスタ」 「まさかのイカスミチョイス」 「悪い?」 「悪くはねえよ、なあ?」 悪くはないけが・・・何て言うか、よくイカスミを頼めるな。流石学校で女装を突き通してるだけある。 「おれ唐揚げ定食」 ちなみに鶏肉だ。共食いとか言うな。 「共食いかよ」 小野塚に笑われた。匠も微妙に笑ってる。酷い。 「おれ鶏じゃないから」 「鏡見てから出直しな」 匠酷い。もういい。気にしない。 「御注文お決まりでしょうか」 小野塚がいつの間にか押したようで、ウェイターさんが現れた。 「日替わり肉定食とシーザーサラダ、イカスミパスタと、唐揚げ定食お願いします」 匠がまとめて言ってくれた。ウェイターさん、二度見しないで。ただの人だから。 「もしかしてそちらの学生さんは、中等部伝説の大食い鶏様でいらっしゃいますか?!」 「そんなことも言われてた気もしますが・・・」 なにこのウェイターさん食い気味で怖い。乗り出さないで。 「!やはりそうでしたか・・・では、当食堂裏メニューでおもてなしさせていただきます」 「いえ、唐揚げ定食が食べたいんですが」 中等部の時、中等部の食堂のウェイターさんに、頼んだメニュー全部食べられたら奢ってやるとか言われて食べたんだが、それがこっちにも伝わっていたとは・・・大食い鶏って何だ・・・。 「ウェイターさん行ったぜ」 「良かったね、大食い鶏」 たくさん食べれるみたいだよとか言ってるけど匠・・・おれもう唐揚げ定食食べる気分だったのに。 さっきのウェイターさん料理もって走って来た。危ないな。周りもなんだなんだって見てるし・・・。 「お待たせしました」 「お待ちしてません」 「こちら、日替わり肉定食、シーザーサラダ、イカスミパスタ、そして・・・」 無視された。まあいいが本当に早いな。ハイスペックウェイター。 「皿大きくね?」 その通りだ、小野塚。イカスミパスタの4倍ある皿が3枚・・・。 「言っとくけど、イカスミパスタ普通の大きさだからね」 イカスミが小さい皿なんだと思いたかった。
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