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ゴールデンウイークは終わった。
「よーっす、久し振りだな
全員生きてて良かった良かった……っと、そうそう、今度中間考査あるから、しっかりしとけよ? 高校入って初なんだから気合い入れていけよ」
それじゃ、授業の準備ちゃんとしとけよ。と言って出て行った松原先生。
そうか、テストか。
「予定立てておかないとな」
予定を立てないとおれは勉強をしない。
「にわとり、また小野塚も呼んで放課後に勉強会する?」
中等部の時、3人でよく勉強会をしていた。今回もしたいが……。
「委員会があるからな……」
「ああ、放課後も配達あるんだっけ? 面倒だね」
面倒でも一応おれが委員長だからな。それに静一さんが怖い。
「夜でもいいから俺に英語を教えてくれーっ!」
小野塚が泣きついてきた。
「小野塚本当に英語駄目だよね」
「意味が分からないんだよ……! 何なんだよ英語って! 選択科目にしてくれればいいのにっ」
他の科目はまあまあいいのに英語が酷い小野塚。大抵いつも匠に教えてもらっている。
「おれは委員会の合間にやったりするから勉強会は2人でやってくれ」
小屋で勉強しても別に怒られないだろう。
「時間あったらいつでも僕の部屋に来なよ、そこでしてるから」
「ああ、ありがとう」
じゃあついに匠の同室が見られるのか。楽しみだ。
「た、匠様っ! 俺の英語は……」
「仕方がないから見てあげるよ」
「よっしゃ、サンキュー!」
腕組みをして偉そうな匠と両手を上げて喜ぶ小野塚。この光景は中等部の時に何回も見た。これからも見られるだろう。
「よーし、今回こそ学年順位40位以内に入るぞ! 俺は!」
燃える小野塚。小野塚は大体いつも40位代をうろちょろしている。
「僕は1桁になる」
匠は1組に混ざる程の実力だが、手を抜く事も多々あり、そのせいで3組にいる。
「おれはいつも通り、20位代に入りたい」
おれも匠程ではないが上の方にいる。もう少しで1組にもいけると言われたが、興味がない。もっと頑張れると言われてもやる気がでない。
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