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「こちら、チャーシューラーメン大盛肉増しに、鶏の唐揚げ大盛、ワカメサラダ普通盛りでございます」
「なぜにワカメだけ普通盛り?」
おれも気になる。
「本日はワカメサラダを御注文なさる生徒さんが多く、残り全て持ったんですが、足りず・・・」
3組生徒だな。松原先生のせいだ、あのおしゃれワカメめ。
「これ全部食べたらただですか?」
「勿論、私のおごりでございます」
よし。まあ全部金出せとは言わないよな。勝手に変えられたんだ。そんな事したら横暴な食堂って言うことで有名になるぞ。
「それじゃあ、」
「いただきます」
3人揃えて言ってから食べ始める。唐揚げおいしいな。
「イカスミ食っても黒くなってないだと・・・?!」
「なんだと・・・!」
「ふ、当然だね この僕だよ?」
匠は左手を腰に当て、自慢げに笑った。そんな事してても格好はどこからどう見ても美少女。残念な美少女だ。少女じゃないが。
「今まで一度も食事で汚れたことなんかないね!」
「おぉ、そうか・・・」
「すごい、な・・・」
流石におれ達も若干引き気味。顔を見合わせ互いの情けない表情を見合う。何の意味もないな。
「ていうか、にわとりやっぱり食べるの早いね」
匠がフォークでこちらを指しながら言う。
「本当だ、もう唐揚げねえじゃん」
そんなの当然だ。
「今日は唐揚げが食べたい気分だったからな、簡単に入る」
ラーメンとかもまあいけるだろう。
「小野塚もさっさと食べなよ、一番遅いんだから」
「全然進んでないな」
そう言うと小野塚は、
「いや、飯はゆっくり食べるもんだろ」
お前達は早いんだよと肉をたべながらいった。そうか?そうだな。
「にわとり、納得しなくて良いから
小野塚は遅すぎるんだよ、待たせないでよ」
「匠さん、きついっす」
納得しそうになってしまった。恐るべし小野塚。巧みな話術だな。
「やあ君達、少し良いかな?」
「いや、おれ達ご飯食べてるんで・・・」
後でお願いします、そう言おうとした。が、言えなかった。振り返った先にいたのは・・・。
「会長さんじゃないですか」
「え、マジで?!」
どうだ、小野塚。言葉には言い表せないだろう?この素晴らしく時代錯誤な感じは。
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