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☆
「本当…どうしよう…」
僕は頭を抱えていた。
どうにもならない。そんなことはわかっている。しかし、どうにかしたくなる。
というよりどうにかしなければならないと、心臓が働きかける。
「痛男ー、あんなクソアニメのどこが…」
「それ以上、喋るな。でなければ殺す」
後で、僕に痛男というあだ名が似合っていることに気づいた。
「あ」
「喋るなっつったろう?」
「いや、いい方法思いついた」
「え?」
希望が現れる。が、友人は僕の嬉々とした表情を見て、ニヤリと笑った。
「ゴメン。ウソ。忘れてくれ」
それは、ウソじゃない。そう言ってるようにしか聞こえなかった。
「き、貴様ァ…!」
「おーっと、いいのか?俺にそんな事していいのか?」
「ぐっ…!」と、息を呑む。非常に残念なのは友人が僕より遥かに素晴らしい頭脳の持ち主であり、友人の案に乗れば、なにか打開できる可能性が大いにあるということだ。
「す、すいません…教えて下さい…」
「なんのことだろー、僕は何も知らないけどなー」
棒読みの達人である。
「お、お願いします………なんでもします」
「……そこまでいうなら仕方ない。じゃあーー」
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