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季節は、春を迎えた。大学に入学してから二年が過ぎ、俺は三年生になった。とある事情があり、お金を稼ぐ為、初めてアルバイトに応募してみた結果、見事合格した。今までにアルバイト経験のない俺は、不安と緊張で心臓が張り裂けそうだった。
そして、その日がやってきた。バイト先までスクーターで10分ほどと歩いてでも行ける距離は、かなり都合が良かった。冬になると、雪でスクーター、自転車なんて乗れたものじゃないからだ。それにバスも一時間に一本と時間の都合が悪いから、歩いて行ける事がかなりありがたい。
「いらっしゃいませ!」とドアを開けると同時に聞こえてきた。
「すみません、今日から...」と緊張のあまり言葉につまった。
「今日からバイトの喜多沢くん?」
「そうです!喜多沢です」
「更衣室まで案内するから少々お待ち下さい!」と言われた。
それからしばらくして、休憩室に通された。休憩室は、広くも狭くもない感じで4人がけのテーブルとイスが置いてあった。更衣室は、ただカーテンを閉めるだけの簡単な作りで、座布団一枚分くらいの狭さだった。
「ロッカーは好きな所使っていいよ」と、同じくらいの年齢であろう女性の方にに案内された。
「わかりました!」
女性のスタッフの方は、すぐに店舗に戻っていった。夕方の時間ということもあって、きっと忙しいのであろう。お礼を言い忘れてことに気づいた。
着替え終え、俺もすぐに店舗の中に入り、カウンターへと向かった。すると、周りからポテトの香りと油の香りがしてきた。
「こっちに来て」と女性スタッフの方に手招きされた。そこでタイムレコーダーの押し方等の説明を受けた。
「遅くなったけど、初めまして谷川です。喜多沢くんとは、多分同じ学年かな」と自己紹介があった。さっきまで緊張のあまり顔を見ていなかったが、かなりの美人だったことに今更気づいた。
「初めまして、喜多沢です!よろしくお願いします」
挨拶を終えると、厨房に案内された。中には、二十代くらいの男の人が居た。
「今日からバイトの喜多沢君だね。佐藤です!よろしくね」と感じの良さそうの男の人が居た。
「初めまして、喜多沢です!よろしくお願いします」
さっそく作り方の説明を受けた。それから二時間経過し、今日のシフトが終わった。
「お先に失礼します」とスタッフの方々に挨拶をして、休憩室へと向かい、着替えて店を後にした。
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