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「なぁ。学園の女王様って呼ばれてる女の子がいるらしいぜ?」
と、尚樹が言ったのは確か入学してから1週間後の4月12日だったか。
学園一の情報通(自称)長原尚樹(ながはら なおき)と友達になってから、ほぼ毎日何かしらの情報が流れ込んで来る。
例えば、誰と誰が付き合ってるとか担任の先生のスリーサイズとかそんなくだらない情報だ。
だが、今回ばかりは違うらしく「マジなんだって!何か裏で学園を支配してるとか」と熱弁を奮っていた。
「マジなのは分かったが、何処からの情報なんだよ」
「ネット」
「お前なぁ…」
「ネットは偉大なる海原だ!分かるだろう?なぁ、浩輔」
「偉大なのは認める。だが踊らされてるお前からの情報は認めない」
「はぁ!?」
「ネットには嘘の情報だって山程あるからな?ガセネタ掴まされて喜んでる様じゃあな。大体なんだよ学園の女王様って」
「ま、まぁ…あくまで噂、だからな…」
「うわ…コイツ……」
この時はまさか本当に女王様とやらがいるなど予想すらしていなかった。ましてや、密接に関わる事になるとは。
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