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誰でも良かった。この浮く体を鎮めて欲しかった。体中を掻きむしりたくなる感覚から逃れたかった。何故私はセンセイに掻き乱されるのだろう、センセイが誰と何をしようと構わないのに。口を出す権利など無いのに。黙っておとなしくしていると気が狂いそうになる。
水曜日。
私は就業後にコーヒーショップに向かった。ガラス張りの店内を歩道から中を伺う。
「……」
カウンターにセンセイはいた。本を置き、ページをめくっている。私は分かっていた癖に足が止まる、息も止まる。
私に取ってセンセイは天敵なのかもしれない。見付けた瞬間に血管が萎縮する。
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