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「センセイには関係無いわ」
「目上の忠告は聞くものですよ」
センセイの手は更に強くなる。
「痛いじゃない。離してっ」
運送業の男が気付いたのか、私とセンセイの間に入った。男がセンセイの腕を掴んで睨みつけると、センセイは私の手首を離した。口ほどにも無えな、と男は捨て台詞を吐いて私の肩を抱いた。そしてそのまま私は男とコーヒーショップを出た。
男は通りに出てタクシーを拾い、高架下の焼き鳥屋まで私を連れて行った。コンクリートが剥き出しの壁と天井、カウンターと小さな丸テーブルが数個の、小さな店に帰路のサラリーマンがひしめいている。
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