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柔らかく笑い和樹は口を開く。 「それが美遥さんの本音なんじゃないんですか?」 「えっ……」 「まどろっこしいこと抜きにして最後に残った感情が真実ってやつなんだと思いますよ」 「そうね、佐久間に会いたいわ。会って話さないとなぁ、これからのこと。全部投げてきちゃったから、ダサいね私」 「そんなことないっすよ、最後にはカッコよくいつも決めてるじゃないですか」 「そう、だったかなぁ……」 空を見上げてポケットに突っ込んでいたケータイを取り出す。 いつの間にか和樹は居なくなっていた。 気を利かせてくれたのだろう。 ずっと、言えなかった。 ずっと、言いたかった。 「もしもしーー。佐久間さん?」 『美遥?』 久しぶりに聞く佐久間の声は疲れが混じってるみたいだった。 ちゃんとご飯は食べてたのだろうか……。 あぁ、切なくなる。 ずっと悩んでたのはお互い様ってことか。 「ねぇ、佐久間さん。会いたい」 ずっと、言えなかったことがある。 ずっと、言いたかったことがある。 ようやく言えた私の真実。 夢に取り繕って隠していた本音。 これからどうなるかなんてわからない。 ただ今は、佐久間に会いたい。 それだけなんだ。 end
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