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 3組第1班と第7班が進駐官養成高校の正門をくぐったのは、到着予定時間の3分前だった。全員くたくたに疲れ切っていたが、士気は高かった。  月岡(つきおか)教官に帰投報告をすませてから、まだ体力の余っているテルとジョージが校内の探索にでた。テルが脱臼させた襲撃犯を見つけるためだ。あれだけの怪我(けが)が数時間で治るはずがない。タツオとクニはもう体力の限界だった。  這(は)うようにシャワールームにたどりつき、熱い湯を浴びた。汗を流すと、全身から水分を吸いこむようだ。生き返った気分になる。テルとジョージは十分足(た)らずでシャワールームにもどってきた。浮かない顔をしている。官給品の硬いタオルで身体(からだ)をふきながら、タツオはきいた。 「どうだった? 敵は見つかったかい?」  テルが首を横に振った。 「いいや、教室をすべて回ったが、誰も腕をつってない。生徒は白だ」
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