390人が本棚に入れています
本棚に追加
ジョージがなにかをおもしろがっているように笑いながらいった。
「ぼくのほうは教官室を見てきた。怪我をしている人はひとりもいなかったよ。教官も白だ」
それでは敵はいったいどこにいるのだろうか。タツオはつぶやいた。
「じゃあ、ぼくたちを襲撃した敵は、高校の外にいるのか。どういう組織なんだろう」
ジョージがあからさまに笑っていた。
「敵は校外だけじゃなく、校内にもいるだろ。タツオは狙撃(そげき)されているんだから。考えてみると、ぼくたちの周りは敵だらけだ」
タツオは順位1番の生徒のように笑えなかった。自分が狙(ねら)われるだけならまだいい。だが、敵は第1班ごと襲撃をかけてきた。タツオは恐ろしかった。自分のせいで第1班のメンバーにまで傷がつき、ことによると殺されるかもしれないのだ。
シャワー上がりの身体が急に冷えこんだ気がして、タツオは裸(はだか)のままくしゃみをした。
最初のコメントを投稿しよう!