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吹き荒れる暴風。
型もなにもない、滅茶苦茶な、しかし渾身の逆袈裟。
無銘の助けを借りた斬撃は白い衝撃となって宙を疾走り、魔素に軋んだ時空を祓う。
「破魔の力で魔素を封じたか!」
残心のまま荒く息を吐く俺は、フェンリルの感嘆と同時に、仲間の機体を襲った異変が去ったことを知る。
辺りに漂う霧が、魔素を洗い流したのだ。
「……ほう?」
玉座の蒼魔神――冥王ハーデスと化したローゼンクロイツが、脚を組んだまま頬を弛めた。
「機体のコントロールが戻ったぞ!」
俺は、ラッシュの声を聴いて胸を撫で下ろし、仲間の無事に息を吐いた。
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