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気配の中に嗅いだことのある臭いを感じたのも無理はなかった。かつてカリオストロに召喚された古代神、ナイアーラトテップとシュブニグラス。その二柱が目の前に現れたのだから。
圧倒的なプレッシャー。
吹き荒れる魔素が、見えない重圧となって俺達を圧倒する。
「ハーデスのみならず、破壊神の四柱が揃っておるのじゃ。魔素が濃いはずじゃて。まともな人間なら、とっくに狂うておるわい。」
フェンリルの声が震えている。
「王の御前で甲冑姿は無礼千万。顔を晒し、恐怖におののく姿でのたうつが良いわ!」
濃密な牝の臭いとシュブニグラスの気配が膨れ上がり、チャイナドレスが再び翻る。
舞うように優美な仕草で振り払われた扇からは、恐るべき威力の竜巻が放たれた。
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