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私は、うすら寒い闇の中で、自らが施した〈儀式〉の効き目にすがる。
長い定例報告と、回りくどい言い回しの労いが続き、暗闇の中を重い時間が流れてゆく。
モノリスと化した長老達以外は、発言を許されるまでは口を開いてはならない決まりなのだ。
「……さて、計画には些かの遅延もなく、大気の外へ追いやった愚か者共の動きも想定の範囲内だ」
「いかにも。キメラが何処より出現したかは不明確である故、こちらの提言したマキナの宙軍配備も承認された。……くくっ! いずれ、自ら首に縄を掛けたことになろうとは、思いもよらぬだろうが、な……」
「なれど、今は奴等にも餌をくれてやらねばならぬ。豚は肥らせてこそ価値が出ようでな」
「そこで、だ……」
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