LUNA

4/9
前へ
/941ページ
次へ
一際重い声が響く。 半円に私を囲んでいたモノリスが左右に開き、中心を十三番目のモノリスが進む。 「……王!」 ホログラム越しに長老達の緊張が伝わってくる。王の降臨は久しぶりのことだった。 「皆も息災でなにより。時に、豚どもへの褒美には、私に一案がある……。だがその前に、ルナよ、其処に居るかな?」 「……はい。」 私は、王であり養父であるロスチャイルド卿のモノリスに跪いた。 「お前は優秀な子だ……。我が子等の中でも一等のな。」 「……恐れ入ります。」 私は、膝まづいた姿勢で更に頭を下げる。 「よって、褒美をやろう。我が血脈の一員に迎え、新たな家名を興すがよい。」
/941ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2838人が本棚に入れています
本棚に追加