第69話

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さ「はぁ…はぁ…」 あれからずっと走って、やっとの思いで寮に帰ってきた。 要に……何も言えなかった。 言葉が出てこなかった。 あんな暖かくて、優しい気持ちを、要はどうして無くす事が出来たの? 何があって、私なんかを好きになってくれたの? 美夏先輩へのあんな素敵な気持ちの上に、私への気持ちがあるのが信じられなくて… だって何年も育ててきた気持ちと、まだ出会って半年しか経ってない気持ち しかも相手は美夏先輩。 色んな事を考えたら、私頭がぐちゃぐちゃで… そんな時会ったって、何て話しかけたら良いかわかんない。 相変わらず神出鬼没な要には困るよ。 ねぇ要… 要の心に、今は美夏先輩はもういないの? 私を好きな気持ちは揺るがない? 逃げてきちゃったのに、今凄く要に会いたい。 要の口から、要の声で 「好き」 って聞きたいよ―… 要。 私の胸が痛いのは、当分取れそうにないよ。 .
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