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英「要が優しいから。だから美夏は一切知らないんだ…要のあったかい気持ちを」
…さっき美夏先輩が笑顔であり得ないって否定したのは
何にも知らないからなんだ…‥。
英「でもね、要の最後の愛だったんだよ…美夏が悩まない様に、傷つかない様に。自分の気持ちなんて最初から無かった様に振る舞った。だからね…」
さ「だから…?」
英「あの時の要の気持ちを、踏みにじる奴は許せないんだ。…美夏を困らせる奴も」
さ「…」
英「そんな要がさくらちゃんを好きになった。だから、さくらちゃんには噂に惑わされて欲しくないんだ」
さ「……っ」
胸が張り裂けそうだ。苦しくて…とても切ない。
駄目だ。
顔を上げて、英士先輩に向かって笑わなきゃ。
話して貰えて良かったって…
なのに顔を上げたら、絶対涙がこぼれてしまう。
英「ごめんね。俺はいつまで経っても役立たずだ」
さ「そんなこっ…」
顔を上げてしまった。やっぱり私の目から涙が零れた。
英「ごめんね、泣かせちゃった」
そう言って英士先輩は、私の頬につたった涙を優しく拭ってくれた。
泣きそうな笑顔で…。
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